局部的な損傷が生ずると、建築の構造はそれだけゆるんだもの、ガタがきたものとなり、固有周期が延びる。たとえばいま、こういった損傷によって固有周期が、A点からB点まで延びたものとしよう。するとその途端に、作用する力はB点の高さまで急激に減ってしまって、損傷はもはやそれ以上は進まない。つまりこのような場合の破壊は一過性である。これに反して、地盤が軟らかい場合はどうだろうか。応答スペクトルの形は、なだらかな丘陵型となる。
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だからもともと固有周期がA点にあった建築は、A点の高さにあたる力を受けて、ある程度の局部的な損傷を生じ、固有周期がB点まで延びると、地震動入力は、B点で示されるように以前よりも大きくなる。したがって破損は一層進んで、さらに固有周期が延び、作用する力はますます大きくなって、建築は大破壊の状態に立ち至るか、あるいは倒壊してしまう。つまりこの場合の破壊は進行性である。このように、地盤が硬いときと軟らかいときの応答スペクトルの形の違い、マッターホルン型か若草山型かによって、破壊が一時的なものにとどまるか、進行して大破壊に至るかの違いを生じ、この観点からみれば、地盤の軟らかい場合の方が不利なことは明らかであろう。もっともどちらの型であっても、最初のA点がどこにあるかによって、いつもなるとは限らない。しかし現実に計測された応答スペクトルの形と、通常の建築の固有周期の範囲とを併せ考えると、少なくともこういったことになる公算が大であることは確かである。