一九九二年に国会に提出された都市計画法をめぐる野党側の共同案はきわめて重要であった。それは、まず、現行法の枠内でも、改正すれば地方分権を実際に、しかも大幅に実現できる道を示したことだ。第二に、その対象が都市計画法というきわめて重要な法律だったことである。政治腐敗から高すぎる土地や住宅まで、いまの日本を蝕んでいるさまざまな病気の根源には、欠陥だらけの都市計画法とその恣意的な運用に大きな原因があった。政官財のトライアングルにきわめて有利な、容積率を中心にした相次ぐ規制緩和を可能にしたのは都市計画法であった。
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こうした規制緩和が都市の乱開発と自然の破壊をもたらし、企業の含み資産を膨張させた。必要性をめぐる十分な議論もないまま、鉄のトライアングルは高速道路、新幹線、関西新空港、東京湾横断道路、東京都の副都心計画などさまざまな巨大プロジェクトを相次いで実施してきた。いずれも都市計画法にもとづく決定を受けてである。規制緩和や巨大プロジェクト、それにともなう公共事業、そして霞ヶ関が握る膨大な許認可権が政官財の三位一体をすっぽりと覆う腐敗の温床になってきた。日本改造共同案のように都市計画法を改正するだけでも、つまり都市計画を鉄のトライアングルのためにではなく、国民のために仕立て直すことによって、こうした病根を取り除く道がひらけてくる。国民の生活も働きに応じた豊かなものになるし、それが一九九〇年代の最大の国民的な課題になっている「生活大国」実現への回答でもある。