仕事をとれば資金が回る

2011.11.11

一般の製造業などを例にあげて考えれば、商品を生み出し、販売するためにはたいへん多額の資金を必要とすることは明らかである。慎重な市場調査のうえで、顧客の希望する形状・品質・価格等を推定し、生産方法・販売手段を計画して商品を世の中に送りだす。そのためには調査計画から始まり、材料購入、代金回収まで多額の運転資金が必要になる。建設業ではどうであろうか。建設会社では、経理担当者が資金の苦しさを訴えると、「では、今度の工事も利益はないが、取ることにするか」などという話が始まる。

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これは工事を取得すれば前渡し金がもらえるという従来の官庁工事の考えがあるからである。建設業は、俗に言われるように「手振り八貫」「ふんどし1本」で始められる商売であり、多少の腕としっかりした信用があれば、容易に事業を拡張することもできる。また、仕事の着手、推捗状況に応じて前渡し金・取下金がいただけるという慣行のため、いつの間にやら「仕事=資金」という間違った考え方が定着してしまっている。もちろん、最近はそんな都合のよい話ばかりではなく、立替工事の種類・範囲・方法も各般にわたり、経営者または担当者の頭を悩ますことが多くなってはきている。事業のスタートに際して、ばく大な資金を必要としないという特性があればこそ、建設業にウマミがある。堅実な建設業経営者は、これをもとに事業をひろげ、そして、さらにその中で利益の蓄積を行って財務体質を強め、多少の立替工事くらいは自己運転資金でもって十分賄えるまでの力を備えているものである。他業界の常識では、仕事をするには金がいるものであって、金がほしいから仕事を取るなどということは驚天動地の心境であろう。




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