エレベータが停止した場合、メーカーによってかご内から扉が手で開けられるタイプと開かないタイプの二通りがあるが、まず電源スイッチを切ることである。すると、どのエレベータもかごの扉は手で開けることができる。乗り場の扉は鍵がないと開かないものが多く、現在のところメンテナンス会社はこの鍵を、一般に、管理会社にも、管理組合にも渡していない。したがって、バールなどによって外からこじ開けるより仕方がないことも起こりうる。
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かご内の扉も、乗り場の扉も開いたからといって、ここでいきなりエレベータ内の隙間から見える階下の床に飛び降りようとすると、エレベータの昇降路に誤って落下する危険がある。階下の床とエレベータの床の差が六〇センチ程度なら足元に注意して脱出してよいが、それ以上の場合は外からの手助けが必要である。また、かごが六〇から一二○センチ程度上階の床から下がっている場合は、外から脚立などを差し入れてもらって上の階に逃げることになる。上にも下にも脱出、または救助ができない場合は屋上のエレベータ機械室の中にあるモーターシャフト、またはフライホイールにハンドルを取り付け、手動でかごをゆっくりと下げる。これらの作業はあらかじめエレベータの構造を知り、訓練していれば素人でもできる。しかし、エレベータの昇降路が地震のために傾いた場合などはワイヤーがはずれる危険もあり、(社)日本エレベータ協会では素人がこの方法をとることはすすめてはいない。救助のための最終の手段と考えておいた方がよい。なお、「地震時管制運転装置」は昭和四〇年代の後半から普及し始めたもので、現在の普及率は東京都で七〇パーセント、全国では五〇パーセント程度とされる。二〇〇五年七月二三日の地震では「地震時管制運転装置」が付いているために停止し、また、閉じ込めが発生したエレベータが多かったが、激震時には「地震時管制運転装置」の付いていないエレベータの閉じ込め事故率が確実に高まるとされる。